ネタバレ感想

鬼滅の刃4巻ネタバレ【無料で読む方法】あらすじ&感想(26話~34話)

鬼滅の刃4巻を無料で読む方法(ページ下へジャンプ)

鼓屋敷でみごと鬼を倒した炭治郎は、最終選別の合格者の一人である猪の頭をかぶった男・伊之助と出会う。

しばしの休息を経たのち、善逸や伊之助と共に鴉の指令で那田蜘蛛山(なたぐもやま)へ向かうが、そこでは鬼の糸に操られて鬼殺隊隊員が仲間同士で殺し合いをさせられていた。一方、一人別行動となった善逸は体が蜘蛛になる毒を受けてしまう…。

鬼滅の刃(単行本)ネタバレ&あらすじ
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第26話「素手喧嘩(スデゴロ)」ネタバレと感想

 

鼓屋敷の外で仰向けに横たわりながら、善逸は鬼の音が消えたこと、すなわち炭治郎が鬼を見事に倒したことを感じていた。

炭治郎たちと、それから他の何かばたばたしたうるさい足音が屋敷の中からやって来ることも。

すると、善逸がかばった正一が涙を流しながら「大丈夫ですか?」と話しかけてきた。

どうやら、屋敷の部屋が変わった時の勢いで、善逸は二階の窓から外に飛ばされたらしかった。

正一がどうしてそんなに泣くのか不思議に思いながら、何気なく後頭部を触った善逸の手は血まみれに。なんと、飛ばされた時に善逸が頭から落ちたことを正一は心配して大泣きしていたのだった。

 

そこへ、猪の頭をかぶり、刃がぎざぎざになった刀を持つ二刀流の男が「猪突猛進、猪突猛進!!」と叫びながら鼓屋敷の扉を頭突きでぶち破って現れた。

藤襲山(ふじかさねやま)の最終選別の五人目の合格者、誰よりも早く入山し、誰よりも早く下山した、善逸に言わせれば”せっかち野郎”、嘴平伊之助(はしびらいのすけ)だった。

伊之助は禰豆子が入った箱を見つけると、その箱を攻撃しようとするが、それに気づいた善逸が箱をかばう。

「この箱に手出しはさせない、炭治郎の大事なものだ!!」箱を守ろうと叫ぶ善逸に、伊之助は中にいるのは鬼であることを指摘するが、善逸は「そんなことは最初からわかってる!!」と答えた

 

耳の良い善逸は、炭治郎に会った時から箱の中の音が”人間の音”でなく”鬼の音”であること、つまり、中にいるのは鬼であることに気付いていたのだ。生き物から聞こえる呼吸音や心音などにより、善逸は相手が何を考えているか知ることができる。

しかし、自分が信じたいと思う相手を信じ、人によく騙された善逸は、炭治郎から聞こえる音が今まで聞いたこともないほど優しいのを聞いて、炭治郎が鬼を連れていることには事情があるはずだと考え、その彼が大事にする箱を守ろうとしたのだった。

そんな善逸が刀も抜かず箱に覆いかぶさるのを伊之助は罵り、何度も蹴り飛ばした。顔も体もぼこぼこにされた善逸がそれでも箱を放さないのを、箱ごと串刺しにしようと伊之助が刀を抜いたところへ、ちょうど炭治郎と二人の子供たちが屋敷から無事に出てきた。

 

箱をかばう善逸の姿が、あの日弟をかばって倒れていた母親とかぶった炭治郎は、すぐに伊之助に殴りかかった。吹っ飛ぶ伊之助。

善逸が刀を抜かないのは隊員同士で徒に刀を抜くのが御法度だからだ」と炭治郎が怒りに震えながら言うと、伊之助は「じゃあ素手でやり合おう」ととんちんかんな答えを返す。

「いや全くわかってない感じがする」という炭治郎のツッコミを完全スルーして、伊之助は炭治郎へ蹴りかかった。

伊之助の攻撃を受け止める炭治郎は、攻撃の異様な低さに驚く。彼が頭にかぶる猪のように、四足獣と戦うごとき低さなのだった。

 

攻撃を返そうと伊之助よりさらに低く蹴りを入れる炭治郎だが、伊之助は体の柔軟さを生かし、足を一八〇度に開いて地に付け、体を低く沈めてかわしたと思うと、後ろから前へ足を回転させて炭治郎の頭部へ蹴りをくらわせた。

すぐさまバク転で間合いを取ると、「凄いだろう俺は!!凄いだろう俺は!!」とドヤ顔で二回言う。

さらに自分の体の柔らかさを見せびらかそうと、足を背中の後ろから前へ回し、目の前に持ってきた足の間から炭治郎を覗きながら「こんなこともできるんだぜ!!」と自賛するのだった。

 

そのまま炭治郎の言うことも聞かず向かってくる伊之助に、炭治郎は「ちょっと落ち着けェ!!」と叫びざま、頭骨(ずこつ)が割れるのではと思えるほどの激しい頭突きをくらわせた。

さすがの伊之助もよろめき、うつむいたために、かぶっていた猪の頭部が落ち、中から伊之助の素顔が現れた。その粗野でがさつな言動とは裏腹に、目はぱっちりとして白い肌も美しく、少しぼさぼさしたおかっぱ頭の、女の子のようにきれいな顔なのだった。

胡蝶しのぶ
「そんなことは最初からわかってる!!」そう言って禰豆子の入る箱をかばうこの場面は、善逸の名シーンの一つですね。アニメ版は13話で描かれ、構成や間合いと言った演出もすばらしいので、ぜひこちらも見てみて下さい。 また、中に入っているのが誰か知らないこの頃から、気づけば禰豆子をかばっていた善逸。この後彼は禰豆子ちゃんLOVEの追っかけと化しますが、そんな彼の愛が報われる日は来るのでしょうか!?

第27話「嘴平伊之助」ネタバレと感想

 

その粗野でがさつな言動とは裏腹に、女の子のようにきれいな顔をしていた伊之助に、炭治郎は「君の顔に文句はない」「こぢんまりして色白でいいんじゃないかと思う!!」とよく分からない褒め言葉をかける。

「俺の名は嘴平伊之助だ」と名乗る伊之助に向かって、炭治郎は「どういう字を書くんだ」とすかさず聞き返した。「読み書きはできない」と戸惑う伊之助。「名前はふんどしに書いてあるけどな…」と言い訳をする。

だが、そこで動きがぴたりと止まったかと思うと、白目をむき、泡を吹いてその場にドッと倒れてしまった。先ほど炭治郎から受けた頭突きでついに脳震盪(のうしんとう)を起こしたのだ。

一方、額から血の一滴すら流さず「すーん」とする炭治郎に、見ていた善逸は「どんだけ頭硬いんだ」と呆れるのだった。

 

しばらくして、炭治郎の羽織を枕に、善逸の羽織を掛け布団代わりにして寝ていた伊之助が目覚めると、炭治郎たちは鼓屋敷で殺された人たちを埋葬しているところだった。

「まだ中に殺された人たちが残っているから手伝ってほしい」と言う炭治郎に、「生き物の死骸なんて埋めて何の意味がある」と答える伊之助。これまで亡くなった人を埋葬したことがなく、弔いの意味がわからないのだ。

善逸はそれを聞いて「こいつホントにおかしいんだ」と考えるが、炭治郎はいかにも可哀想にという様子で「傷が痛むからできないんだな?」と伊之助に問うた。

舐(な)められたと思い、思わず青筋を立てる伊之助だが、炭治郎はそんなことには全く気づかず「いいんだ 痛みを我慢できる度合いは人それぞれだ」と遠慮なく続けた。

「亡くなってる人を屋敷の外まで運んで土を掘って埋葬するのは本当に大変だし」「伊之助は休んでいるといい」とニッコリする炭治郎に、伊之助の堪忍袋は大爆発し、「俺が誰よりも埋めてやるわ!!」とブチ切れるのだった。

 

埋葬を終え、正一君が自分を守ってくれたと勘違いして連れて行こうとする善逸を拳でいさめて、炭治郎・善逸・伊之助の三人は鎹烏(かすがいがらす)に連れられて藤の花の家紋の家に到着した。

この家に住むのは鬼狩りに命を救われた一族で、鬼狩りであれば無償で尽くしてくれるのだ。

久しぶりにゆっくりと食事や休息、治療を受けると、善逸は二本、炭治郎は三本、伊之助は四本、それぞれ肋骨が折れていることが判明した。

素手喧嘩について伊之助が謝る・謝らないでもめたり、食事のことで伊之助が炭治郎を挑発しようとして全く挑発できなかったりしながら三人は休息の日々を過ごしたが、ふと善逸は、炭治郎が持っている箱のことを思い出し、鬼を連れている訳を炭治郎に聞いた。

箱の中身が鬼だと知りながら善逸がかばってくれたことを知り、礼を言う炭治郎と、照れてその場にドッと倒れる善逸。

 

とその時、部屋の隅に置かれていた箱からカタカタと小さな音がして、ゆっくりと蓋が開き始めた。善逸は鬼が出て来ることに激しく動揺し、せめて伊之助にでも守ってもらおうと逃げ出した。だが、中からひょっこりと顔を出した禰豆子が、人間の女の子の姿をしていたこと、あまりに可愛らしくキラキラと光るようだったことに怒り狂い、炭治郎の説明を聞こうともせずに血走った目で激しく当たり散らし始めた。

いわく、「こんな可愛い女の子連れて毎日うきうきうきうき旅してたんだな」「俺の流した血を返せよ」「鬼殺隊はお遊び気分で入る所じゃない お前のような奴は粛清だよ」等々…。

善逸の悲痛な叫び声は、夜明けまで止むことがなかったのだった。

 

胡蝶しのぶ
無事鬼を倒した後の癒し回ですね。三人の微妙に噛み合わない会話が笑えます。戦いのシーンとは違う、デフォルメされた表情もぜひチェックしてみて下さい。 また、ネットなどでは炭治郎・善逸・伊之助の三人組をまとめて『かまぼこ隊』と呼んだりしますが、それはこの回で伊之助が炭治郎の名前を「かまぼこ権八郎」と呼び間違えたことからつけられました。

 

第28話「緊急の呼び出し」ネタバレと感想

 

禰豆子が炭治郎の妹だとわかるや、善逸は急に炭治郎にヘコヘコし始め、一方、伊之助は所構わず炭治郎に頭突きをしていた。

 

そんなこんなで三人の骨折が癒えた頃、鎹烏(かすがいがらす)から緊急の指令が来た。那田蜘蛛山(なたぐもやま)へ一刻も早く向かえ、というのだ。

藤の花の家紋の家で面倒を見てくれたお婆さんは、出立の際に三人の無事を祈って切り火を切ってくれた。火は身を浄(きよ)め、魔除けになると考えられており、火打ち金に火打石を打ちつけて火花を起こすことでお祓いをするのだ。

だが、切り火を知らない伊之助は「何すんだババア!!」と拳を振り上げ、殴りかかろうとするのを炭治郎と善逸が必死に止めた。

 

「どのような時でも誇り高く生きて下さいませ」「ご武運を」と頭を下げて見送るお婆さんを振り返りながら、伊之助は「誇り高く?ご武運を?どういう意味だ」と二人に聞く。

炭治郎は少し考えた後、「誇り高くとは自分の立場をきちんと理解してその立場であることが恥ずかしくないように正しく振る舞うこと」と答える。

だが、伊之助は続けざまに「その立場ってなんだ」「恥ずかしくないってどういうことだ」「なんでババアが俺たちの無事祈るんだよ」とあれこれ問いただし、辟易(へきえき)した炭治郎は伊之助の質問を振り払おうと速度を上げて走り出したのだった。

 

あたりが真っ暗な中、目的地の那田蜘蛛山に近づく三人だったが、善逸は鬼と戦うことに早くも怯えて座り込んでしまった

「気持ち悪い奴だな」と伊之助に言われ、「俺は普通でお前らが異常だ」などと言い争う三人だったが、山の中から急に捩(よじ)れたような禍々しい匂いがして、道の先に鬼殺隊の隊士が倒れているのが見えた。

善逸を置いて炭治郎と伊之助が駆け寄ったが、助けようと手を伸ばすやキリキリと音がして、隊員の体は空中高く引っ張り上げられ、「たすけてくれえ」という叫びも虚しく、山の中へ吸い込まれていってしまった

善逸は恐怖で何も言えず、口元を手で覆って蒼白になるだけだったが、炭治郎は怖れを感じつつも先へ進むことを宣言する。そんな炭治郎と競うように、伊之助も仁王立ちに腕組みしながら「俺が先に行く!!」そして「腹が減るぜ!!」とキメるのだった。伊之助の言葉に少し感動する炭治郎、「腕が鳴る、だろ……」と突っ込む善逸。

 

山の中のあちこち張られた蜘蛛の巣を払って進みながら、炭治郎は山から漂う禍々しい匂いに少し体がすくんだこと、伊之助の言葉を心強く感じたことを伝え、正面きって「ありがとう」と言う。伊之助は一瞬黙り込んだが、ほわほわとして温かく柔らかいものが自分の周りに漂うのを感じ、同時に藤の花の家紋の家での出来事も思い出していた。

お婆さんが自分の汚れた服を洗って新しい着物を用意してくれたこと、夕飯に天ぷらを揚げてくれたこと…。

その記憶が伊之助をさらにほわほわさせたが、回想は炭治郎の呼びかけで突然打ち切られた。鬼殺隊隊士が少し離れた場所にうずくまっていたのだ。近寄って応援に来たことを伝え、「階級は癸(みずのと)だ」と言うと、その隊士、村田は「なんで”柱”じゃないんだ」「癸なんて何人来ても同じだ」と震え始めた。

 

そんな村田に伊之助は正面から鉄拳を加え、自分は鬼殺隊における後輩であるにも関わらず、「弱味噌が!!」とすごむ。

村田の説明によると、彼らは鴉からの伝令により総勢十人で山に入ったが、しばらくすると隊員同士が斬り合いになってしまったというのだ。

そしてまさに、奥の方にゆらゆらと操られているように揺れながら、刀を持って立ち上がる鬼殺隊隊員たちの姿が見えた。

そのさらに奥の山の中のどこかには、指に繋いだ糸で隊員たちを人形のように操りほくそ笑む、白く長い髪をした女の鬼の姿が…。

 

同じ頃、いずことも知れぬ大きな屋敷の縁側に、那田蜘蛛山からなんとかここまで生きて戻った鴉を膝に載せていたわる男性がいた。鬼殺隊隊員を「私の剣士(こども)」と呼ぶ彼は、「那田蜘蛛山には”十二鬼月(じゅうにきづき)”がいるかもしれない」と言い、”柱”を行かせるために後ろに控えた二人の名前を呼んだ。

「義勇」「しのぶ」

胡蝶しのぶ冨岡義勇の二人は声を揃えて「御意」と応える。

この男性こそ、鬼殺隊を率いる最高責任者、産屋敷耀哉だった。

 

胡蝶しのぶ
埋葬の意味を知らなかったり、お婆さんに聞かれたことの意味がわからなかったり…。当たり前のことを知らない伊之助の生い立ちが気になりますが、彼のくわしい過去は、10巻の番外編や、さらにその先の19巻160話で明かされることとなります。 また、鬼殺隊のトップや”柱”らしき二人もチラ見せされました!1巻1話で炭治郎と戦った冨岡さんも派遣されるようですが、彼らの強さはいかほどなのでしょうか。

 

 

第29話「那田蜘蛛山」ネタバレと感想

 

そのころ、炭治郎と伊之助に置き去りにされた善逸は、道の真ん中で膝を抱えてうじうじ心の中で愚痴を言っていた。

「普通は仲間を道ばたに置いて行かないんじゃないか」「仲間なら説得するんじゃないか」「二人で説得してくれたら俺だって行くんだからね」「それなのに二人ですたこらさっさ行っちゃって、嗚呼、置きざりにされた俺の気持ちよ…」。

そこへ善逸の鎹烏・雀のチュン太郎がやって来て、善逸をチュンチュン励ますが、鳥語がわからない善逸は「いいよなお前は気楽で」と空気の読めない返事を返す。さすがのチュン太郎も怒って善逸の手の甲に噛みつくが、そこで善逸は炭治郎が禰豆子の箱を背負ったまま行ったことに思い至った。

「なんで俺の大切な禰豆子ちゃん持ってったんだぁ!!」「とんでもねえ炭治郎だ」と、禰豆子会いたさに山の中へ向かって突如猛ダッシュする善逸だった。

 

一方、炭治郎たちは先に山へ入った隊員たちに斬りかかられていた。隊士たちの動きがおかしいと感じた炭治郎は、彼らが何かに操られていると気付く。

それなら全員ぶった斬れば良いと考える伊之助だが、まだ生きている人もいると止める炭治郎。

そこへ斬りかかってきた隊員の動きを殴って止めた拍子に、鼻の良い炭治郎はその隊員の背中の辺りで甘く奇妙な匂いがするのを嗅ぎ取った。空中で剣を振るうと何本もの糸が切れ、隊員はその場にドサリと倒れ込んだ。襲いかかってくる隊員たちは、糸で操られていたのだ。

「糸を斬れ」と伊之助に指示を出す炭治郎に、伊之助は「お前より俺が先に気づいてたね!!」と張り合いつつ、あっという間に隊士三人を操る糸を断ち切った。

 

みんなを操る鬼の位置を探そうと考えた炭治郎だったが、ものすごい刺激臭がしたと思うと、カサカサと音を立てて袖に小さな蜘蛛が上って来るのに気づいた時には、左腕が向こうへ強く引っ張られていた。

右腕で刀を振るい、糸を斬って事なきを得たが、蜘蛛が操り糸を繋いでいることを知って後ろを振り向くと、先ほど糸を斬ったはずの隊員たちの体が瀕死の状態ながらも人形のように再び起き上がりつつあった。

「糸を繋ぐ蜘蛛を皆殺しにすればいい」と伊之助が言うのに対し、「蜘蛛がまた操り糸を繋ぐからそれだけでは駄目だ」と答える炭治郎。

だが、またも強い刺激臭が風に乗って流れてきて、思わず鼻を覆ってしまう。みんなを操る鬼の居場所を探そうにも、刺激臭が強すぎて炭治郎の能力の一つである嗅覚の鋭さが使えないため、伊之助に何か方法はないかと協力を求めた。

だがその時、フッと頭の上が陰ったと思うと、木と木の間の高い位置に通した糸を足場にして、子供の鬼が立っていた。炭治郎を見下ろし、怖ろしく冷たい声と目で「僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するな」「お前らなんてすぐに母さんが殺す」と言うと、その場を立ち去ろうとする。

 

隊士を踏み台にしてその鬼へ向かって跳びかかる伊之助だが、攻撃は届かずあっさりと空振りに終わってしまう。子供の鬼、累はそのまま姿を消してしまった。

「何のために出てきたんだ」と落下して強く背中を打ちつけながらいぶかしがる伊之助に、炭治郎も鬼の言った「家族」の言葉が気になりつつも、「まず先に操り糸の鬼を探そう」と提案する。

伊之助は自分にアレコレ指示する炭治郎に若干キレながらも、「母さん」と呼ばれた操り糸の鬼の居場所を探るために、獣の呼吸・漆ノ型(しちのかた)、空間識覚の構えを取った。荒れ山育ちの伊之助は触覚に優れており、集中すれば空気の微(かす)かな揺らぎも感知して、直接触れていないものでも捉えられるのだ。

空間識覚の力により操り鬼の居場所を突き止めた伊之助だったが、先ほど現れて消えた子供の鬼は空に輝く満月を見上げながら「誰にも邪魔はさせない…」とつぶやくのだった。「僕たちの絆は誰にも切れない」と。

 

胡蝶しのぶ
嗅覚に優れる炭治郎、聴覚に優れる善逸に加え、伊之助は触覚に優れていることがわかりました!三人は鬼殺隊の同期ですが、それぞれがお互いに無い長所を持ち、補い合うことのできる、素晴らしい仲間ですね。 ところで、嗅覚・聴覚・触覚は人間の五巻のうちの3つです。残る二つ、視覚と味覚を持つ仲間は現れるのでしょうか。そう言えば、同期はあと二人いたような…?

 

 

 

第30話「操り人形」ネタバレと感想

 

伊之助が操り鬼の居場所を突き止めたことで、鬼殺隊隊士・村田は炭治郎と伊之助にこの場を自分に任せて先へ進むよううながした。「情けない所を見せたが俺も鬼殺隊の剣士だ」と。

一瞬迷ったものの、申し出を有難く受けた炭治郎と伊之助。

伊之助は村田にクソ猪と呼ばれたことに悪態をつきながらではあったが、進んだ先にはまたも鬼の糸に捉えられて操り人形と化した女性隊士の姿があった。しかも、仲間二人の死体を引きずりながら。「階級が上の人を連れて来て」「でないとみんな殺してしまう」と泣きながら立ちはだかる女性隊士。

 

その糸につながる母鬼が嬉しそうに彼女を操っているところへ、炭治郎と伊之助の前に一瞬姿を見せた子供の鬼、累が現れた。彼の姿を見るや、母鬼は哀れなほどビクつき、「勝てるよね?」「早くしないと父さんに言いつけるからね」と脅す累に、恐怖で何も考えられない様子で言われた通り「母さんはやれるわ」「父さんはやめて」と繰り返した。「だったら早くして」と冷たく言い残し、子供鬼・累は姿を消したが、母鬼は恐怖と動揺で呼吸も荒く、焦りから隊士を操る糸をますます強く激しく操作し始めた。

操られる女性隊士は「逃げて!!」と叫ぶものの、体は操られるままに動くしかなく、炭治郎たちに刃を振るう。しかもその動きは、鬼に操られているせいで普段より何倍も速く、強くなっていた。

 

ますます焦りいら立つ母鬼は、女性隊士を無理矢理動かして炭治郎たちと戦うが、無茶な動きになるのに構わず操るため、腕や背中は異常な方向に曲げられ、隊士は骨が折れて激痛に呻きながら戦わされていた。

さらにその周りでは、瀕死の他の隊士たちが再び立ち上がらされつつあった。刀は折れ、目はうつろで意識はほぼ無く、全身から血を流すそのうちの一人は、炭治郎に「殺してくれ」と息絶え絶えに頼んできた。「骨が内蔵に刺さっている、動かされると激痛で耐えられない、どのみちもう死ぬ」と。

蒼白になる炭治郎と対照的に、言われた通り隊員たちに止めを刺そうとする伊之助。

彼らを助けたい炭治郎は、何とか伊之助を止め、技は使わずに隊士たちの動きを止める方法を考えていたが、ある方法を思いつくと、襲ってくる隊士から急に逃げ始めた。後ろから隊士がついて来ることを確かめながら、グルグルと辺りを走り回る炭治郎だったが、頃合いを見計らうと、振り向きざま隊士の体へ低くぶつかり、下半身に腕を回すとそのまま一度息を深く吸い、隊士の体を高く投げ上げた。

 

投げ上げられた隊士の体は頭上にあった木の枝を通り越して飛び、体を操っていた糸が木の枝にからまるように落下して、枝にひっかかったまま空中で止まった。糸を木の枝に絡(から)めることで、傷付けずに隊士の動きを止めたのだ。

それを見ていた伊之助は自分もやりたいと興奮し始め、炭治郎と同じように隊員を投げ上げてその動きを止めると、「見たかよ!!お前にできることは俺にもできるんだぜ!!」と炭治郎に張り合うが、他の隊士の相手をするのに精一杯の炭治郎はそれどころではなく見ていない。炭治郎に怒る伊之助。

だが、母鬼はますます怒りに震え、とっておきの最強の人形を繰り出そうとしていた。

 

胡蝶しのぶ
子供鬼・累は自分たちを”家族”と呼びましたが、母鬼は累にひどく怯えているようです。そもそも、鬼は共喰いするから群れないはずですが…?累はいったい何者なのでしょう。 隊士たちが操られ殺し合う様子は凄惨の一言に尽きますが、そんな中でも炭治郎への対抗意識を燃やし、張り合おうとする伊之助のマイペースな言動に少し心が和みます。

 

第31話「自分ではない誰かを前へ」ネタバレと感想

 

炭治郎にできることは自分にもできる、ともう一度自分が隊士を投げ上げる姿を見せたい伊之助だったが、再びやろうとしたその時に、母鬼は怒りに任せて操っていた隊員たちの首をぐるりとひねり、首の骨を折って全て殺してしまう。

全員殺されてしまったことに伊之助はがっかりして大声を出すが、ふと見ると、炭治郎が怒りをこらえて死体の側にひざまづいていた。その表情は見えなかったが、深い怒りが炭治郎の体を覆い、もはや殺気に近くなって周りの空気までビリビリと揺らすのを伊之助は感じた。普段は何かと炭治郎に張り合おうとする伊之助も、静かに「行こう」と言う炭治郎に、ただ「…そうだな」と答えるしかなかった。

 

母鬼の居所を突き止めた伊之助の案内で先に進むうち、風向きも変わって再び鬼の匂いを感じられるようになった炭治郎は、鬼の匂いがこの先にあと二つあるのを感じた。

その一瞬のちには鬼の姿が見え、走り寄るとそ鬼の身の丈は炭治郎たちの倍ほどもあり、手から大きな刃が生え、何より頸は肩の位置で切断されてその上には頭も何もないのだった。

鬼の急所は頸だが、無いものは斬れない。慌てふためく伊之助に、炭治郎は落ち着いて体を袈裟斬りにすることを提案した。それを聞くや伊之助はテンションを上げ、炭治郎が止めるのも聞かず、一人で鬼に向かって駆け出してゆく。そのまま鬼に攻撃を仕掛けようとしたが、逆に反撃を受けてあっという間にいくつもの傷を作ってしまった。

 

続く斬撃はは速いが、本来、伊之助にとって避けられないほどではなかった。だが、刀を持つ手の上にいつの間にか小さい蜘蛛が乗っており、気づいた時には伊之助の体は蜘蛛の糸につながれて腕一本動かせなくなっていた。鬼の刃が眼前に迫り、「やられる!!」と思った瞬間、炭治郎が伊之助の前に割って入り、鬼の攻撃を刀で受け止めた。

そのまま鬼に向かって何度も刀を振るい、その動きで同時に伊之助の糸をも斬る炭治郎。助けられた伊之助は瞬間ホワッとしたが、炭治郎に「一緒に戦おう」「力を合わせよう」と言われ、自分がホワッとしたことに苛立ったのか「これ以上俺をホワホワさすんじゃねぇぇ!!」と逆ギレする。

その時炭治郎の背中から鬼が斬りかかるが、伊之助はその攻撃を受け止めようと、あいだに立つ炭治郎に「邪魔だそこ!!」と怒鳴る。

 

炭治郎は状況を見てとると、「俺を踏め!!」と叫びながら鬼の攻撃をかわしざま体を低く沈めた。すでに跳び上がっていた伊之助は、言われた通りかがんだ炭治郎の背に飛び乗るような格好になりながら、刃を振るって鬼の両腕を斬り落とす。すると、またも「伊之助跳べ!!」の言葉と共に、炭治郎は背に乗る伊之助をはねあげた

と同時に、自身も水の呼吸肆ノ型(しのかた)・打ち潮を繰り出し、鬼の両足を斬り落とす。高く宙に跳んだ伊之助は、炭治郎の「袈裟斬りだ」の言葉を聞き、身をひねって鬼に狙いを定めながら、やけにゆっくりと考えていた。

戦いにおいて自分が結果的に炭治郎の思い通りに動いているということ、それが川の水が流れるごとく必然のようであること、炭治郎は自分が前に出ることではなく、戦いの全体の流れを見ているということ、すなわち、自分ではない誰かを前へ押し出そうとしているということ。

 

巨大な鬼の体を炭治郎の言葉の通り袈裟斬りにした伊之助は、そのまま炭治郎に駆け寄ると、炭治郎の体を下から抱きかかえて母鬼のいる方へ力いっぱい投げ上げた。炭治郎にできることは、自分にもできるのだと示すために。

炭治郎はそのまま母鬼の元まで飛び、その姿を見つけると壱ノ型(いちのかた)・水面斬りを繰り出そうと刀を構えた。鬼は自分が殺されると思い、なんとか生き延びる方法を考えようと焦るが、心の中に浮かんで来たのは助かる方法ではなく「死ねば解放される」という思いだった。「死ねば楽になれる」と。

救いを求めるように炭治郎に向けて両手を差し出し、こちらを見つめる母鬼に向かい、炭治郎はとっさに構えを変えた。繰り出した技は、壱ノ型・水面斬りではなく、伍ノ型・干天(かんてん)の慈雨(じう)。敵にほとんど苦痛を与えずに斬ることができ、相手が自ら頸を差し出して来た時のみ使う、慈悲の剣戟(けんげき)だった。

 

胡蝶しのぶ
今話のサブタイトル「自分ではない誰かを前へ」の意味が、首無し鬼との戦いの中で描かれます。戦いの全体を見て、最適と思えばそれが自分では無くとも他の誰かを前へ出すことを厭わない炭治郎。他者を引き上げることに気を配れる炭治郎は、少年漫画では少し新しいタイプの主人公かもしれません。 そんな炭治郎の行動を見て、伊之助も「対抗意識から」自分ではなく炭治郎を前へ押し出します。結果的には他人を引き上げることになり、自分一辺倒だった伊之助が成長する瞬間です。

 

第32話「刺激臭」ネタバレと感想

 

炭治郎に伍ノ型・干天の慈雨で斬られ、頸だけとなって落下しながら、母鬼は優しい雨に打たれるように感じていた。那田蜘蛛山で鬼として生きた時間からは想像もできない、あたたかく穏やかな死だった。

鬼の家族の中で、彼女は他の鬼によく虐げられた。何に怒られているのかもわからないまま、体の大きな父鬼に殴られて血を流し、他の鬼にその様子を笑ったり哀れんだりされた。

そんな彼女を冷たく見下ろし、「何に怒ったのかわからないのが悪い」と責めるのは、炭治郎と伊之助の前に一瞬姿を見せた子供の鬼・累だった。

恐怖と苦痛の日々だった。

 

だが、頸を斬られ形を少しずつ失いながら、まだ残る右目で、悲しそうにこちらへ顔を向ける炭治郎の目を見ていると、母鬼は、自分が人間だった頃に優しい眼差しを向けてくれた人を思い出すような気がした。自分をいつも大切にしてくれた人。それが誰で、今どうしているのか、もはや思い出せないその人。最後に見た時はなぜか血を流していたような気がする人…。

いつの間にか涙を流しながら、母鬼は最期の言葉で炭治郎に十二鬼月(じゅうにきづき)がいることを教えた。

それを聞いて、十二鬼月の血を奪えれば禰豆子を人間に戻すための薬も早く完成すると思いながら、伊之助のいる場所へ戻る炭治郎。

 

伊之助は全身傷だらけ、血まみれになりながらも、自分を心配する炭治郎の言葉を一蹴して「お前にできることは俺にもできる」「もう少ししたら俺の頭もお前の頭より硬くなる」と対抗意識を燃やしていた。

だが、炭治郎は伊之助のひどい怪我や、助けられなかった隊員たちのことを考え、辛い気持ちにならずにはいられなかった。自分が斬った母鬼からは、死を切望するほどの恐怖と苦痛の匂いがしていた。

十二鬼月を含む、鬼の一族が住んでいる山なのだろうか。けれど、鬼は共喰いするから群れないのではなかったか…。

 

一方そのころ、禰豆子を探しに山へ駆けこんだ善逸は、炭治郎たちを見つけられずさまよっていた。

一帯にはくさい匂いが漂い、カサカサと音を立てて小さな蜘蛛が幾匹も歩き回っていたが、しげみからガサガサと音を立てて出てきたのは、髪はほとんど抜けてわずかばかりが生え残り、血走った目をぎょろぎょろさせた、青ざめた人面に蜘蛛の体の人面蜘蛛だった。

思わず目を剥いて逃げ出す善逸は、夢であれ、夢ならすごい頑張ると願いつつ、「起きた時禰豆子ちゃんの膝枕だったりしたらすごい頑張る」と禰豆子のことを考えるのにも余念がない。

 

だがどれだけわめいても夢にはならず、気が付くと善逸は広場のような場所に出てきていた。頭上では空中に糸が渡され、その糸から木でできた小屋と何人かの人間が吊るされていた。

その人間たちも、鬼殺隊の隊服を着た人間もいれば、先ほど現れた人面蜘蛛のように髪がほとんど抜け、手が昆虫の足のようになりかかっている者、同じく髪が抜け、口から血を流し、目をむいてぶるぶる震えている者などがいた。刺激臭はますます強く、喉も目も痛んで涙が出て来るほどだ。

と、小屋の開いた扉部分でギッと音がして、姿を現したのは巨大な人面蜘蛛鬼だった。蜘蛛の体部分にはみっしりと細かい毛が生え、手足の縞模様も毒々しい。人面は、片目は大きく見開かれ、片目はいつもニタニタ笑っているかのような細い三日月型をしていた。

 

あまりにゾッとして「へぐっ」とへんな声しか出せない善逸だが、人面蜘蛛鬼がこちらを見ていニタアと笑うのに耐えられず、「お前みたいな奴とは口利かないからな!!」と意味があるのかないのか分からない罵倒をしてそのまま逃げ出した。

だが、人面蜘蛛鬼は善逸の言葉に取り合わず、「お前はもう負けてる」「手を見て見な」と善逸に話しかけて、「くふっ」と不気味な笑いを繰り返した。

言われた通り自分の手を見ると、あちこちに赤い染みができ、腫れ上がっていた。蜘蛛にかまれ、蜘蛛になる毒を受けたのだ。

「四半刻(30分)後には蜘蛛になり、俺の奴隷として地を這うのだ」とその蜘蛛鬼は言う…。

 

胡蝶しのぶ
操られ殺された鬼殺隊隊員も含め、多くの人間を殺した母鬼を許すことはできませんが、自ら死を望むほどの人生、いや鬼生?を強いられてきたと知ると、哀れにも思えます。

鬼は人を喰う恐ろしい生き物ですが、彼らには彼らの感情や考えがあり、それは時に人間と近いものだったりするのかもしれません。

もしかすると、人間が元々持っていた怒りや憎しみが増幅されているに過ぎないのかもしれませんね。 また、人面蜘蛛鬼とのやり取りでは、善逸のヘタレっぶりが全開です。「口を効いてもらえなくても鬼は困らないだろう」と思うのですが、それしか言えないのが善逸の善逸らしさ。それぐらいしか自分には出来ることがないと思っているのかもしれません。

 

第33話「苦しみ、のたうちながら前へ」ネタバレと感想

巨大な人面蜘蛛鬼はどこからか時計を取り出すと、その文字盤を指し示しながら、「十分後には手足に痺れと痛み」「その十分後にはめまいと吐き気」「さらに五分後には激痛が来て体が縮み出し失神する」と蜘蛛になる経過を善逸に逐一説明した。

善逸は途中で耐えきれなくなり、「ギャアアアッギャーーーッ」とみっともなく叫ぶと、訳もわからず頭をぶんぶん振り回して今度こそ逃げ出そうとした。

「逃げても…」無駄、と言いかける鬼の言葉を善逸は「無駄ねハイハイハイ」と全力で受け流し、そのまま高い木の上に上って幹にしがみついたまま泣き始めた。

そんな善逸を笑いながらバカにし、「蜘蛛になれば知能もなくなる」という蜘蛛鬼は「それが嫌なんだ」「なんでわかんないの、友だち・恋人いないだろ、嫌われるよ!!」と善逸に言い返される。思わずカチンとする蜘蛛鬼。

善逸は「あんなふうになりたくない」と木の上でわんわん泣き叫んでいた。

むかしも善逸は木の上でそんなふうに泣きわめいたことがあった。

 

 

その時も善逸は木の上で泣いていた。まだ善逸の髪の色が金ではなく黒だった時だった。木の下には善逸がじいちゃんと呼ぶ師匠がいて、善逸を「泣くな、逃げるな」と叱りとばしていた。

「これ以上修行したら死ぬと思う」と、涙と鼻水を垂らした必死の形相で訴える善逸だが、師匠は「この程度で死にはせん!!」と取り合わず、ガミガミ言い続ける。

惚れた女が別の男とかけおちするための金を工面してやり、借金まみれになっていた善逸を助けたのが、この師匠だった。

その期待に応えたいと思い、隠れて修行もしているが、全然結果が出ないのだと泣きながら訴える善逸。泣き叫ぶ彼に「落ち着け、お前には才能が…」と師匠が言いかけた時だった。

空がピカリと光り、雷が善逸のいる木を直撃したのだ。善逸の名前を叫び、駆け寄る師匠。雷に打たれ、木から落下する善逸の髪の色はその時黄色く変わっていた。

 

今もまた同じように木の上で泣きわめく善逸は、実は自分が一番自分のことを好きではないと思っていた。ちゃんとやらないとと思いながらも怯えて逃げる自分を善逸は自覚しており、変わりたい、ちゃんとした人間になりたいとも思っている。

涙と鼻水で顔面をぐちゃぐちゃにしながら愚痴を言い続け、恐怖で吐きそうになる善逸を、蜘蛛鬼はあっけに取られて見ていた。そうしているうちにも人面蜘蛛たちが木を登って善逸の所へ近寄って来ようとするし、髪を触るとその部分の毛がごっそり抜けてしまう。

怖ろしさが頂点に達し、気を失ってしまう善逸。木の上でぐったりする彼を見て、蜘蛛鬼は腰抜けだとあなどり、彼が頭から落ちるのを眺めているが、善逸は気を失いながらも落下する間に刀を構え、地上すれすれの場所で雷の呼吸壱ノ型・霹靂一閃(へきれきいっせん)を放ち、木の根を蹴ってその反動で蜘蛛鬼に跳びかかった。

反撃に口から毒を吐き出す斑毒痰(ぶどくたん)の技で応酬する蜘蛛鬼だが、善逸は体を回転させて毒をかわした。泣きわめいていた先ほどまでとは別人のように冴えた動作だった。

 

善逸をそれた毒は近くの木を直撃し、瞬時に半分ほども溶かしてしまう。着地した善逸は、もう一度霹靂一閃を放とうとするが、蜘蛛鬼の合図により小さな人面蜘蛛が一斉に善逸に襲いかかり、型が解かれてしまった。

再度構えるも斑毒痰を放たれ、避けるためにまた構えを解く善逸。善逸が同じ構えを何度もするのに気づき、一つの技しか使えないと分かって笑う蜘蛛鬼だったが、善逸はその時、眠る意識の中で師匠に言われたことを思い出していた。

本来、善逸が修行している雷の呼吸の型は六つあるのだ。だが、善逸は一つしかできたことがなかった。そんな善逸に始めはブチ切れていた師匠だったが、いつのまにか「お前はそれでいい」と言うようになった。

 

「一つの事しかできないならそれを極め抜け」「極限の極限まで磨け」と。そして、善逸に刀の打ち方の話をした。「刀は叩いて叩いて不純物を飛ばし、鋼の純度を高めて強靭な刃を作るのだ」と。

まるで善逸のことも、他の型を混ぜずに一つの型のみを追求することで純度を高めて強い剣士にするのだと言わんばかりに。とは言え、善逸の頭をゲンコツで毎日ごちごち叩くのは若干やり過ぎではあったけれど。

「泣いてもいい、逃げてもいい、ただ諦(あきら)めるな」またも霹靂一閃の構えを取りながら、善逸の中に師匠の声が響いていた。「極限まで叩き上げ、誰よりも強靭な刃になれ」と。

 

胡蝶しのぶ
33話冒頭、善逸が木に上って泣いていた頃の回想では「泣くな、逃げるな」と善逸を叱っていた師匠ですが、終盤の回想では「泣いていい、逃げてもいい、ただ諦めるな」と言っています。

いつの頃から師匠の考え方も変化したということなのでしょう。それが善逸を育てたい一心からだったのか、何か他の理由もあったのか…。 それにしても、彼の髪の色は雷に打たれたせいだなんて驚きですね!

 

 

第34話「強靭な刃」ネタバレと感想

 

意識を失ったまま戦い続ける善逸。蜘蛛鬼の毒をかわし、迫って来る人面蜘蛛の攻撃をかわし続けながらも、受けた毒は体に少しずつ回り、手足がしびれ始めていた。加えて強烈な吐き気とめまいも加わり、ついに善逸は膝をついて倒れそうになる。

 

だが、意識なく戦い続けるあいだも、善逸は昔のことを思い出していた。

師匠の元で修行していたころ、自分を「消えろ」「愚図(ぐず)が」と罵った男のことだ。「朝から晩までビービー泣いている」と罵り、「師匠をじいちゃんなんて馴れ馴れしく呼ぶな」と罵り、「先生がお前に稽古をつける時間は完全に無駄だ」と罵った。「先生は元”柱”であり鬼殺隊最強の称号をもらった人なんだ」と。

「消えろ」「なぜここにしがみつくのか」と聞かれても、善逸はただうつむくだけで何も答えられなかった。

だが、心の中ではわかっていたのだ。親がいない自分は誰からも期待されていないこと。善逸が何かをつかんだり成し遂げたりすると夢見てくれる人はいないこと。誰かの役に立つとか、誰かを守り抜いて幸せにするというささやかな未来ですら、望んでくれる人はいないこと。善逸が一度何かに失敗して逃げたり泣いたりすると、周りの人は離れて行く。コイツは駄目だと思われてしまうのだ。

だが、師匠はそうではなかった。逃げる善逸を何度も何度も引きずり戻し、根気強く叱り続けてくれた。確かに少し殴りすぎではあったけれど、決して善逸を見限ったりしなかった。

だから善逸は過酷な鍛錬を続けたのだ。

 

蜘蛛鬼の命令で人面蜘蛛が口から毒針を吐き出し、善逸に打ち込もうとする。地面を転がり、その攻撃をよけながらも、毒は善逸の体をむしばみ、口から血が流れ出していた。

蜘蛛鬼は善逸の弱った姿を見ながら、蜘蛛になる前に死にそうだし、蜘蛛になった所で役に立ちそうもないと考える。

だが、何匹もの人面蜘蛛にからみつかれながら、善逸は再び雷の呼吸壱ノ型・霹靂一閃の構えを取った。その気迫で辺りの空気がビリビリと揺れる。

蜘蛛鬼は警戒してとっさに空中の小屋へ身を隠し、再び毒を吐き出して攻撃を仕掛けたが、善逸はその瞬間に霹靂一閃を六連続で放つ霹靂一閃・六連を繰り出した。

 

進む向きを変えながら目にも止まらぬ速さで蜘蛛鬼の潜む小屋まで上り詰めたと思うと、次の瞬間には小屋をぶち抜いて蜘蛛鬼の頸を斬り落としていた

蜘蛛鬼が斬られたことを理解できないほどのスピードだった。情けなく泣いていた善逸になぜ自分が斬られるのか、蜘蛛鬼はには全くわからなかったのだ。

鬼の頸を斬った善逸はそのまま小屋の上に落ち、仰向けに倒れていた。天を見上げながら、善逸は自分がよく見る夢のことをことを考えていた。

幸せな夢、善逸は誰よりも強くて、弱い人や困っている人を助けてあげられる夢。師匠のお陰で強くなれた善逸が、たくさん人の役に立つ夢。

その夢が現実になれば、師匠が教えてくれたことや善逸にかけてくれた時間は無駄じゃないということの証明になる。

けれど、自分が死にかけていることを善逸はわかっていた。もう駄目だ、とあきらめかけたその時、心の中に響いたのは「諦めるな!!」何度も何度も師匠に言われた言葉だった。泣きながら、善逸は再び生き延びる努力を始めた。呼吸を使い、少しでも毒の巡りを遅らせるのだ。楽な方へ逃げればじいちゃんにぶっ叩かれる、それから炭治郎にも怒られるぞ、と自分に言い聞かせながら…。

 

母鬼を倒した炭治郎は、遠くで雷の音が聞こえたような気がして立ち止まった。

伊之助のひどい怪我が気になり、「山おりて」と指示するが、伊之助は「死ねよ!!」と取り合わない。「怪我が酷(ひど)いから」と指摘すると、伊之助は全身から血を流しながら「俺は怪我してねぇ!!」と胸を張った。思わず固まる炭治郎。

だが、そんな二人の目の前にある川を挟んだ向こう岸に、長い白髪をふんわり左右に結んだ少女の鬼が現れた。

すぐに鬼に向かって行こうとする伊之助だったが、少女の鬼が「お父さん!」と呼ぶと、体格が良く、背丈が炭治郎たちの二倍か三倍ほどもありそうな鬼が上から降ってきて立ちはだかった。しかもこの父鬼は顔面だけが蜘蛛で、巨大な顎や牙が口からはみ出すように生え、目玉が七つあるのだった。

その不気味な姿をみてさすがに青ざめる炭治郎。父鬼は、「オレの家族に近づくな!!」と叫び、大地に強烈なパンチを放って二人を威嚇した。

 

胡蝶しのぶ
師匠に言われた言葉どおり、一つの技のみで鬼と渡り合った善逸、鮮やかな勝利です。霹靂一閃を連続させるこの技の回数が六回なのは、雷の型が六つあるのになぞらえているのかもしれませんね。 ちなみに善逸が眠っていても敵と戦うことができるのは、優れた聴覚で相手の動きを察知できるからだそうですよ。 一方、炭治郎と伊之助はまたも新たな敵と遭遇しますが…父と呼ばれ、鬼の家族を守ろうとするこの巨大な鬼こそ十二鬼月なのでしょうか?

 

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胡蝶しのぶ
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